ロビンエンジンの分解

ロビンエンジンの分解

エンジンカバーの取り外し

必要な工具

1. プラスドライバー
2. 六角レンチ (4mm と 5mm) ※100円Shop
3. スパナ (10mm) ※100円Shopで購入

工具

このエンジンを分解します

ロビンエンジン ロビンエンジン

ボルトを外します

ロビンエンジンボルトの場所

矢印のところを外します。ここは10mmのスパナかな?

我が家のエンジンは、4mmの六角ボルトに変更しています。
なぜって?楽だからです。ただそれだけ。

ネジを変更したら、レギュレーション違反になったりして・・・。

ボルトを外したロビンエンジン

2個のボルトを外すとこのように。

ガソリンタンクを取ります

ロビンエンジンガソリンタンク ロビンエンジンガソリンタンク

ガソリンタンクとキャブレターがくっついています。

黒いホースを上に引っ張って取っちゃいます。

右の画像がガソリンタンクが取れた状態です。使ったのは六角レンチの4mmだけです。
※初めて分解するときは、六角じゃなくてスパナ10mmが必要かも??

スターターのカバーを取り外します。

ロビンエンジンスターターのカバー

まずは、プラグ付近にあるネジ(黄色い矢印)を外します。
たぶん、プラスドライバーが必要。

ロビンエンジンネジの場所 スターターカバーが外れたロビンエンジン

黄色い矢印の3個のネジを外します。
ここは4mmの六角です。

簡単にスターターカバーが取れました。
シリンダー側面とフライホイールが見えます。

初めて分解する人なら、この時点でかなり分解した気分になっているのでは?!

ガソリンタンクの下の「ゴム」

スターターカバーを外すと、ガソリンタンクの下に「ゴム」があったことに気づくと思います。
これ大事にしておいてください。ガソリンタンクをつけるときにまた使いますので。

シリンダーのカバーを取り外します。

ロビンエンジンネジの場所 シリンダーのカバーが外れたロビンエンジン

矢印のネジを外すと、シリンダーのカバーが取れます。

カバーの取り外し完了!

キャブレーターの分解

必要な工具

1. プラスドライバー or 六角レンチ(3mm)
2. マイナスドライバー
3. あれば便利のピンセット

このキャブレターを分解します

キャブレター キャブレター

キャブレターを取ります

キャブレターネジの場所 キャブレターとガスケット

矢印のネジを外すと、キャブレターが取れます。

キャブレターが取れると、ガスケットが落ちてきます。
ガスケットは、基本的に毎回交換ですが、そんなこと言っていたら何枚用意しないといけないことか・・・。
なので、このガスケットはそのまま再利用します。

ネジを変更したら、レギュレーション違反になったりして・・・。

フロートチャンバーボデーを外します

フロートチャンバーボデー フロートチャンバーボデー

矢印の六角ボルト(あるいはプラスのネジ)を外すと、「フロートチャンバーボデー」が外れます。←この用語、ロビンエンジンのパーツカタログから抜粋

当たり前ですが、外す際にガソリンが残っていると漏れてきます・・。ご注意を!

フロートチャンバーボデーが外れると、フロートが見えます。
ここにもガスケットがついていますので、無理に取らないようにご注意を。

フロートチャンバーボデーのピン

フロートチャンバーボデーを外したときに、矢印部分のピンが落ちることがあります。
絶対に必要な部品ですので、無くさないように。

フロート部を分解します

フロート部 フロート部

フロートを良く見ると、上側に「UP」と書かれています。
もちろんこちら側が組み込む際に上側となります。

フロート部がばらばらになりました。

スイングアーム

スイングアーム スイングアーム

フロートの高さを調節する、スイングアーム(これはバイクの用語か?)のような部品があります。
この矢印部分に注目です!
ここは右の画像の部品と接触する部分で、フロートの高さによりガソリンを流したり止めたりする機構部です。
シビアなセッティングをされている方は、この部分を微妙に変えたりするようです。

画像でも少し下側へ曲げているのが分かりますでしょうか。

左の画像矢印部分と接触し、ガソリンの流れをコントロールする部品です。
画像左側はキャブの上側に位置し、画像右側がペコペコへこむようになっていて、ここがガソリン流量の微妙な調整をしてくれているようです。

この部品は消耗品(可動部は基本的に消耗品扱い)ですので、画像左側の形状が変形(鉛筆状に見えるところに明確な段差が出来てくる?)や、ペコペコ動く部分の可動範囲が狭くなってくると交換?
正直なところ、交換時期は分かりません・・。

メインジェットを外します

メインジェットを外します メインジェットを外します

さて次に、MJ(メインジェット)を外しましょう!
矢印のネジのようなものがMJです。
これには、62.5から75ぐらいまでの番数があり、番号が小さいほどガソリンの流れが少なく(穴径が小さい)薄いセッティングとなります。
小さいジェットは62.5ぐらいまでですが、大きいジェットは100以上も存在します。

でもこんな大きなジェットを40ccにつけても・・・。
この大きさはスクーター用です。

MJを外すとこんな感じ。画像を貼り付けるまでも無いか・・。

メーンノズルを外します

メーンノズル

MJを外すと、その中には筒状のものが入っています。
それが矢印部分。
矢印部分を上から押すと、MJの方向へ抜け出てきます。

メーンノズル メーンノズル

ほら。
これを「メーンノズル」と言うようです。しっかり掃除してあげましょう。

元に戻すときは、上の画像のようにメーンノズルの先端が見える方向に入れましょう!
逆に入れると見えません。まぁ逆に入れるとMJも付きませんが・・。

左の画像では見えにくいので、もう一個画像!

燃料コック部

燃料コック部 燃料コック部

燃料コック部の清掃です。
黄色い矢印のネジを外しましょう!
赤い方は外さないほうが良いです。
外すと、ガソリン漏れが生じやすくなります。掃除の必要もないので、外さないのが無難です。

黄色い矢印ネジを外すと右の画像のようになります。
ここにもガスケットがあり、キャブの穴径とガスケットの穴径が合っていませんが、あまり気にしないほうが・・・。

フィルター キャブレター

コックを外すと、キャブレター側にフィルターがあります。
ここにはゴミが詰まっていますので、掃除してあげましょう!

ちなみに、赤い矢印のネジを外すとこんな感じです。(右の画像)
左から2番目に写っているのがスプリング状のガスケットで、これを入れる位置を間違えると、漏れます!
一番手前に入れてあげましょう。

キャブレターの分解が完了

分解したキャブレター

戻すときは逆の手順ですが、スイングアーム似の部分の組み立てにはご注意を!
鉛筆のような部品の方向と、スイングアームの固定用ピンの挿入、そしてピンが抜けないようにフロートを挿入し、フロートチャンバーボデーを閉じる。

また、MJの締め付けはしっかりと!
抜けた場合、エンジンがかからずスターターを何度も引くことになり、体力が消耗します・・。(経験談)

フライホイールの取り外しと調整

必要な工具

1. プーラー(3爪 100mm)
2. スパナ (10mm) ※100円Shopで購入
3. 六角レンチ(4mm)
4. 名刺など(厚さ0.1mm~0.2mm程度の紙)

工具

このフライホイールを外します

フライホイール フライホイール

CDIの部分を取り外し

CDI CDI

まずCDIの部分を取り外します。黄色い矢印の六角4mmネジを外します。
次に赤い矢印の六角ボルト(10mm)を外します。外し方は右図

ラチェットレンチに10mmのボックスを付けて外します。結構簡単に外れます。

フライホイールを外します

フライホイール フライホイール

ネジが外れたらフライホイールを外します。
外し方にはいろいろあるようですが、ここではプーラーを用いたはずし方を紹介します。
使用するプーラーは3爪 100mmのものです。
2爪でも外れますが、2爪の場合一箇所に力が集中してしまい、フライホイールを破損します・・

フライホイール

外れました。

ウッドラフスキー

ウッドラフスキー

黄色い矢印がウッドラフスキーというものです。これを外してフライホイールをつければ進角など調整可能ですが、レオンのレギュレーションでは禁止されています。
非常に小さな部品ですので、外した場合はなくさないように!

クラッチシューのページでも書きましたが、オイルシールのところにグリスを垂らしてクランクケースをぐるぐる回すと、グリスがクランクシャフトフリクションロスを減らすことができます。
(クラッチシューの交換ページ 一番下を参照)
フライホイールの組み付け時はウッドフラスキーを忘れないように。

CDIの取り付け

CDI CDI

フライホイールを組み付けたら、CDIの取り付けです。

黄色い矢印のところに隙間(フライホイールとCDIの間)が見えます。
この調整幅は0.2mm~0.3mmぐらいにすると良いようです。
とは言うものの、この隙間が少なければ、CDIで発生する起電流が大きくなるため、ギリギリまで狭くした方が良いと思います。

あまり近づけすぎると、右の画像のようにすり傷が・・。
もちろん接触することで大きなフリクションロスが発生するのは言うまでもありません・・・。

0.2mmに調整するには、「名刺」がお勧めです。

名刺を10mm幅ぐらいに切ってフライのマグネット部分に置きます。

CDIをフライのマグネット部分にくっつければ、その間隔は0.2mmに!
この状態でネジ止めすれば完了です。

クラッチシューの交換

必要な工具

1. プーラー(3爪 100mm)
2. ラチェットレンチ(13mm 10mm) あるいは スパナ (13mm 10mm)
3. ラジオペンチ など(ウォータープライヤーとかでも)

工具

このクラッチシューを外します

クラッチシュー

クラッチスプリングを外します

クラッチスプリング クラッチスプリング

クラッチスプリングを外します。外すにはラジオペンチorウォータープライヤーなどを使います。
ネジル(この図で言うと左方向に)ように引っ張るとすぐに取れます。
(強化スプリングだと結構硬くて苦労します・・。)

スプリングに傷をつけてしまうと走行中に折れたりしますのでご注意を。と言っても傷付いちゃいますけどね・・。

右の画像は、スプリングの片方が取れた状態です。

クラッチスプリング クラッチスプリング

こちら側のスプリングを外すときは、やはりネジルようにすると簡単に取れます。
この図で言うと下方向にラジペンを回します。ます。

スプリングが取れました。

クラッチシューを外します

クラッチシュー クラッチシュー

クラッチシューを外します。ラチェットレンチ(13mm)で外すのですが・・このままではクランクがクルクル回って外せません。

なのでドライバーなどを刺して回らないようにしてからラチェットで外します。
このとき、クラッチシューに無理な力が加わりすぎると、シューの根元から折れてしまいますのでご注意を。

ドライバーでは上記のように折れることもありますので、スクーター用のプーリーを外す道具などをフライホイール側に付けて外す方法もあります。
こちらの方が確実かも?! こんな感じ↓

グリス

クラッチシュー クラッチシュー

ネジが取れました。
ワッシャーが入っているので、これ無くさないように!そして組み付けるとき、忘れないように!

クラッチシューを外してみると、矢印部分が錆びていると思います。
ここにグリスを塗ってあげると良いでしょう!しかし、あまり塗りすぎるとクラッチが滑ってしまうので、少し塗って拭き取る程度で良いと思います。

私は普段使っている油まみれの軍手でフキフキして錆びている部分をしっとりさせるだけです。
シュー側は少しグリス塗ってキッチンペーパーでふき取っちゃいます。

クラッチシューが取れた状態

クラッチシューが取れた状態

クラッチシューを取り付けるときは逆の順序で!13mmのネジをしっかり締めないと、走行中に外れてしまうのでご注意を!
トルクレンチを使ってないので強さは分かりませんが、感覚として「ラチェットレンチの棒部分の真ん中あたりを持って、フルパワーーーで締めればちょうど良いかと・・」

これも取ってみますか。
10mmのラチェットで外します。やっぱりここでもドライバーを刺して回らないようにします。

10mmのネジが外れたら、プーラーを使って抜き取ります。

クラッチ部分が全て取れた状態

クラッチ部分が全て取れた状態 クラッチ部分が全て取れた状態

クランクシャフトとオイルシール(黒いゴム状のもの)が接触しているのが良く見えます。
40ccぐらいの排気量では、この接触抵抗が結構ロスにつながると思います。
まぁ密着していないとクランクケース内の一次圧縮が漏れることになるので、緩すぎてもダメですが・・。(エンジンが温まることで締め付けは緩むと思いますが・・。)

オイルシールとクランクシャフトの接触抵抗は、新しいエンジンほど大きく、使い込んだエンジンほど磨耗して抵抗が少ないようです。
ですのでここにグリスを流し込むと良いでしょう!(圧縮漏れにも効果あり?)

クランクシャフトに少しグリスをつけて、クランクを回すと、グリスがにじみ込んで行くのが分かります。これでOK!

グリスを塗ったということは、しばらく使うことで汚れてしまい、かえってフリクションロスが増えてしまうことも有り得ますので、こまめにオーバーホールすることが必要になる?!  かもしれません。

シリンダーの取り外しとリング交換

必要な工具

1. 六角レンチ(5mm)
2. エンジンオイル など
3. 新品のシリンダーガスケット(下の画像)
4. ピストンリング
5. ガスケットリムーバー(初めてシリンダーを外す場合には必要)

工具

このシリンダーを外します

シリンダー

シリンダーを外します

シリンダー シリンダー

矢印部分のM5ネジ4箇所を外します。
もし、エンジンの組み付け状態を、全く同じ状態に戻したい場合にはシリンダーとクランクケース部分にケガキ線を入れておくと良いでしょう。
一度ばらすと完全にもとの状態には戻らないと思います・・。

少しネジが緩んでいる状態で、一度シリンダーを横方向へ動かしてみましょう。
シリンダーがクランクケースから「かぽっ!」と外れます。

シリンダー

外れました。

初めてシリンダーを外した場合にはガスケットが貼りついていると思います。
ガスケットリムーバーなどできれいに取りましょう!このシリンダーは何度も外しているのできれいな状態です。

次回組み付け時は、ガスケットにエンジンオイルなどを塗っておきましょう。きれいに剥がすことができます。

ピストンリングを交換します

ピストンリング ピストンリング

矢印の方向へ爪などを引っ掛けて広げることでリングを外すことができます。
非常に折れやすい部品ですので慎重に!!!。

ピストンリングには上下があります。
これを間違えるとシリンダーへ挿入できない あるいは シリンダー内でリングが折れます。

ピストンリング ピストンリング

リングをピストンへ取り付けた際に、リングの切れ目がピストンの引っかかり(矢印部分)に合うようにします。
上側のリングと下側のリングで位置が異なります。
全く同じ位置ですと圧縮漏れが顕著となるため少しずれています。
このずれ具合はピストンの番号によっても違うようです。速さにどれだけ影響するか不明ですが・・・。

シリンダーに挿入

シリンダー シリンダー

ピストンにリングをつけたら、シリンダーに挿入します。

その前に、ピストンリングとシリンダー内面にエンジンオイルを薄く塗っておきましょう。
これ重要です。これやらないと、エンジン焼きつくかもしれません。
濃く塗りすぎると、そのオイルが燃焼しきれずにカーボンとなり溜まってしまうため、薄く粘膜を作る程度で良いと思います。

シリンダーへ入れるときには指でリングを押さえこみ入れていきます。

もうひとつ注意!

リングの切れ目と排気ポートは絶対に一致させないように入れましょう!
間違ってしまうと、後でガソリンタンクが付かない! そしてリングが折れることもあります。
シリンダーの向きはガソリンタンクがどちら側に付くか?(つまりその反対側が排気ポート)を見ると良いでしょう。

ガスケットを入れ忘れないように!

ネジはしっかり締めましょう。振動で外れやすいです。
シリンダーのネジが緩んでいる状態で走っている人もいました・・。良く壊れなかったな・・。

エンジンの慣らし

ピストンリングを交換 あるいは 交換しなくてもばらした場合には、エンジンをかけたときに少しだけ慣らしをしてあげます。
いきなり全開にすると壊れます!(まぁ壊れないにしても良くは無いです・・。)

慣らしのやり方にもいろいろあり、YR-HKSでは空まわしで7000rpmを数分維持し、少しずつ回転数を上げていきます。
実走行で慣らしをする人もいます(これが一般的な慣らしかも?!)。
エンジンを全開にしないように10分~15分程度走行するようです。
どちらが良いか・・おそらくロビンエンジンの場合はどちらでも一緒でしょう。

エンジン分解図

エンジン分解図 エンジン分解図
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